令和7年度の最低賃金改定と企業が今から備えるべきこと

毎年多くの経営者様が注目される「最低賃金」の改定。
令和7年度(2025年度)についても、その動向が見えてきました。
今回は、最新情報とともに、企業として今から取り組むべき対策を解説します。

令和7年度の最低賃金、過去最大の引き上げへ

2025年8月4日、厚生労働省の中央最低賃金審議会は、令和7年度の地域別最低賃金の改定目安を公表しました。

  • 全国加重平均:1,118円(63円の引き上げ)
  • 引き上げ額は過去最大
  • 目安通りに改定されれば、全都道府県で時給1,000円を超える見込み

この目安は、今後各都道府県の地方最低賃金審議会での議論を経て、2025年10月頃から順次適用されることになります。


月給者も要注意!企業が今すぐ確認すべきこと

「うちは月給制だから大丈夫」という思い込みは禁物です。大幅に最低賃金が上昇する場合、時給換算した際に最低賃金を下回ってしまうケースは少なくありません。準備が遅れると、意図せず法令違反となる可能性もあります。

特に以下の場合は注意が必要です。

  • 時給が最低賃金を下回る従業員がいる場合: 10月の給与から新しい最低賃金額を反映させる必要があります。
  • 月給制の従業員: 月給を時給に換算した際に、最低賃金を下回っていないか確認が必要です。
  • 最低賃金の対象となる賃金: 基本給だけでなく、一部の手当も時給換算の計算に含める必要があります。なお通勤手当、家族手当、賞与、時間外手当などは含まれません。

気付かずに最低賃金を下回る支払いをしてしまうと、差額の支払いだけでなく、罰則(50万円以下の罰金)の対象となる可能性もあります。早めの確認と準備が不可欠です。


【便利資料】最低賃金の計算方法がわかるリーフレット

最低賃金の計算に便利なリーフレットを下記に紹介させていただきます。このリーフレットは、富山労働局が作成したものです。 一目で最低賃金の対象となる賃金の計算方法がわかる内容となっています。また、似たような計算方法で混同しがちな割増賃金の基礎となる賃金についても掲載されており、非常に便利です。

【参考資料】